【240本目】KODAK PIXPRO C1と一乗寺散歩

送り火翌日の蒸し暑い日曜日。ふと一乗寺へ散歩に行くことにした。

市バス3番線に乗って向かう。

元田中でバスを降り、ガチ中華の刀削麺で腹を満たし、恵文社へ徒歩で向かう。KODAK PIXPRO C1を右手首にぶら下げながら。

自分の居場所はiPhoneのマップ頼みでぶらぶら散歩するのが好き。

良さそうなお店もあるなぁ。

素晴らしい看板のたこ焼き屋。日曜休みかぁ。

恵文社は2〜3年ぶりかな。意思を持って並べられた本棚たちはやはり面白い。最近の自分の興味の変化を感じることもできた。

やはり偶に来ないとな。と思ったな。

恵文社に入口に近隣の書店マップがあり、眺めていると萩書房を発見。

古本祭りでよく立ち寄る古書店だ。

徒歩数分なので、汗をかきながら向かう。

萩書房では気になる本があったが、今回は見送り。

この後、サイゼリヤ一乗寺店へ移動し、冷たい紅茶で一服。

読みかけだった「存在と時間」一巻を読了した。

【229本目】大きな書店で翻訳を比較する

1月から続けている新約聖書の通読は7月現在も毎日続いている。
おかげて活字を読むのが億劫になる気分が消失した。
分厚い本も毎日読み続ければ読了できる確信も取り戻せた。
またこの年齢だから新約聖書を読み続けられているのだとも実感する。

そしてふと「存在と時間」を読み直したくなってきた。
分厚い。難解。本質的。なハイデガーの著作。
20代半ばから30代前半に理解をできないまま読み通したが、自分に深い影響が残り続けている。とはいえモヤモヤしたまま今日に至っている。

様々な本や経験で得た知見で、もう一度「存在と時間」を読み直したい。
できれば近年の翻訳で。

検索すると書店で入手できる翻訳は数種類あるよう。
レビューも豊富ではない。そりゃそうだ。
比較して読む人なんて少数だし、そもそも本書を読み通す人も多くはないだろう。
ただ改めて読むなら自分にマッチする翻訳を読みたい。

そこで河原町の丸善へ。
アプリでチェックしたい翻訳の「存在と時間」の在庫を調べると・・・
すべてある!さすが。

地下2階の哲学、地下1階の文庫の棚を行ったり来たり。
自分が好きな一節をそれぞれの翻訳で比較して読んだ。
私が若い頃に読んだ翻訳が一番硬派なことも再確認(苦笑)。

欲しかったのは高田珠樹訳(作品社)だったが、分厚く重い。
移動しながら読む私には不向きと断念。

次に自分の理解が進みそうだと感じたのが熊野純彦訳(岩波文庫)。
4分冊なのが気になるが、章と節があるので新約通読のように毎日進めるのも良さそう。

というわけで複数の訳を短時間で比較し考えることができるなんて素晴らしい。
大きいだけではなく、品揃えもしっかりしている丸善ならではかもしれない。

リアルの大規模書店の素晴らしさは、こんな経験からも実感する。

【225本目】グノーシス主義について。

「そして、彼が言った、「この言葉の解釈を見出す者は死を味わうことがないであろう」
〜「トマス福音書」より

グノーシス主義な基本的な考え方の解説により、イエス復活とキリスト教に近しいのだと知れた。

またイエスの言葉を解釈することで単独者として覚知する思考の流れは、思考の鋳型とも言えるなと自分ごととして体感できた。

【205本目】2024年心に残った本10冊。

2024年に読んだ本で心に残った10冊をまとめてみた。2021年からなんとなくまとめている。1年振り返ると、意外に無意識の思考傾向が出てきて面白い。読書メーターのおかげでセレクトしやすくなった。
読書メーターに感謝。

→私の読書メーターマイページ

2021年〜2023年の心に残った本たち。

2024年に心に残った10冊!

『百年の孤独 』ガブリエル・ガルシア=マルケス

2024年の超話題作。私のガルシア=マルケス初体験。なんとなくホテルニューハンプシャーの1万倍濃厚な内容に感じられた。 主役の一族を呪われたとは思わず、親戚くらいの気持ちで読み耽った。

私は初代ウルスラが家を守る陽気さ、粘り強さに惹かれた。 ラストは驚いたけど予想できたので納得感。 なお、文庫版冒頭についてる家系図があれば似た名前で惑うことはないし、作品的に多少惑っても問題なし。

2023年はサラゴサ手稿。2024年は百年の孤独。幻想的な小説を読んでいるなぁ。

『日本精神史(上)』『日本精神史(下)』長谷川 宏

軽い気持ちで読み始めたが、平安時代後半から鎌倉時代に入るあたりから強烈に面白くなった。 日本精神が動き出したという感じ。上巻を読み終えて振り返ると、まさに日本精神史だなと実感。 様々な遺物について見方が変わるだろう。
そしてほぼ1年かけて「日本精神史」上下巻1200ページを読了。 縄文遺跡から江戸時代末期の「東海道四谷怪談」までの「日本」精神との長い旅をともに歩き切った。 深い感銘というのだろうか。 不思議な感覚だ。

『南無阿弥陀仏: 付心偈 』柳 宗悦

天神橋筋商店街の天牛書店で入手した一冊。京都では身近な浄土真宗を知りたくて読んだが、「南無阿弥陀仏」を軸に法然>親鸞>一編とラディカルに突き詰めていく思想史に惹きつけられた。挿入される法然、親鸞、一編の文章や問答を見ると、市井の人たちに鍛えられた確かさを実感した。

本書が書かれたのは昭和27年にもかかわらず、宗教が遠くなった現代だからこそ響く仏教思想入門では。この一冊で法然に強い関心を持ち、「法然の衝撃」「選択本願念仏集」まで読み進めることに。
京都国立博物館の法然展も興味深かった思い出。

『幕末百話 増補』篠田 鉱造

幕末江戸の生活を聞き書きした一冊。 出たのは明治末でぎりぎり江戸の話を聞ける頃とのこと。 さまざまな階層の名もなき庶民の話は文章の味もあって読み耽った。 美味しい店なんて情景が浮かぶよう。 江戸の人たちは元気で好奇心満々。文庫で増補された「今戸の寮」は隅田川をゆく舟が印象的。 老婆の語り口に引き込まれた。ひたすら美しい。

『増補 文明史のなかの明治憲法――この国のかたちと西洋体験』瀧井 一博

明治憲法が発布後、西欧から評価されたのは知らなかった。また憲法を作るために素朴なところから高度なところまで知見を集め、伊藤博文が仕上げたのは惹きつけられた。 明治憲法に先立ち行政を整備して、憲法を推進する受け皿を用意した組み立ては、企業運営にも参考になる。 私は創業経営者なので本書を中小企業の承継の視点で読んだが、終始参考になることが多かった。 変な読み方だが。

『関西華僑の生活史』

神戸を中心に戦前からの華僑の人たちの生活史がさまざまに語られる。阪大大 震災以前から発災直後まで神戸に住み、学び、働いた個人の記憶の神戸が蘇るようだった。 もちろん幻想もあるのだが。 神戸の街を作ってきたのは間違いなく華僑の方々の関わりが深いことを知ることができた。

『中国農村の現在-「14億分の10億」のリアル 』田原 史起

中国の大半を占める10億人の農民を現実。知らないことだらけ。そして胸落ちする展開。 そもそも中国の政体をわれわれの民主政との比較で安易に批判するのが良いのか?についても考えさせられた。 習近平体制の進展に伴い、筆者が農村への住み込み調査は「できなくなった」そう。 本書タイトルは「中国農民の現在」だが2010年代初頭までの研究成果のようだ。 コロナ禍の封鎖態勢が影響を与えたのかどうか。 より知りたいと感じた。

『開城工団の人々 毎日小さな統一が達成される奇跡の空間』キムジニャン

「開城工団の人々」を読了。 「語り手のうちの一人から「作家さん、この本よりも(北朝鮮の労働者達の)下ネタ集を作った方がもっと売れると思います」と提案されたのですが、ホント、イカした企画になるかもしれません。」 〜「開城工団の人々」より ※()は私が補足
私たちは北朝鮮の人たちが働く現場の日常すら知らないんだよなぁ。 この本で綺麗事でなく南北の人たちが一緒に働く現場で、結局、相互尊重に落ち着く様が現実的だと実感できた。未来に参照される歴史を記録した一冊。

『金正恩の「決断」を読み解く;変わる北朝鮮と東アジアへの衝撃』鄭 旭湜

トランプ、文在寅との交渉後、金正恩はどう判断したか? 先軍政治から先経政治へ移行するための核、ミサイル?? などなど日常的に眼にする北朝鮮に関する記事の読み方の幅を広げる一冊。韓国とは別の国として北朝鮮が明確に歩み出した現在。この一冊を読んでおくと、東アジア情勢に関するニュースの見通しよくなること確実。それでも「開城工団の人々」での可能性は喪失していないと思うのはナイーブすぎるだろうか。

2025年はどんな本を読むだろうか。本を読まない人生はあり得ないので多読ではないけど、色々な本に出会っていきたいな。ここの書かなかった本たちも楽しい経験に感謝。

【129本目】「ハローユーラシア」から「文明の生態史観」へ旅をする。

ユーラシア大陸が騒がしいよね

中国の一帯一路による大陸規模の経済政策や武漢発と言われるCovid-19からゼロコロナ政策。

さらに 2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻。その仲介役としてトルコが活躍。

またアメリカ中心の中国包囲網への距離感やロシアへの直言でインドへの注目。

なんだかここ数年、ユーラシア大陸全体が騒がしく、歴史を動かしているなとぼんやり考えていた。

「ハローユーラシア」を書店で発見。Kindleで購入。

丸善京都店で本棚を見ている時、目に入ったのが「ハローユーラシア」というキャッチーなタイトルだった。その時は買わず、帰宅後にAmazonを見ると、

帝国化する中国、香港の苦境、深刻な国家対立

ウイグル弾圧、一帯一路構想――

イデオロギーとしての”ユーラシア” が

あなたの世界認識を変える。

という宣伝文句。ぼんやりとひっかかっていた「ユーラシア」について知れるかも!とKindle版を購入した。

ユーラシアとはいうものの中国を軸に記述が広がっていくのだけど、21世紀以降の中国、香港の思想と社会の動向のリンク。 中国ではポスト共産主義として新儒教思想の勃興。 香港では、ポリス国家して存在可能性の思考。 知らないことだらけだったので、刺激的だった。

ユーラシア大陸を見るなら「文明の生態史観」が使えるらしい

「ハローユーラシア」内に現状の見方として「文明の生態史観」について何度が出てくる。

割とキーコンセプトだとわかった。ただ、「文明の生態史観」の書名は古典として聞いたことはあったが、全く興味なく手に取ったこともなかった。

Amazonでの「文明の生態史観」の宣伝文句は

戦後日本人が提示した、最も独創的で最も重要な世界史理論。

あいにくKindle版はないらしいので、そこで丸善京都店でパラパラと立ち読みしてから買ってみた。

1950年代に書かれた文章にも関わらず、2023年現代を語っているかのような文章に驚く。

軽快な文章にも関わらず、鋭い切り込みと仮説に引き込まれた。今、改めて使える物差しではないか、、、と知ることができた。

「文明の生態史観」は物差しとして知っておくのが良い

「文明の生態史観」についてはWikipediaの概要がわかりやすい。

西ヨーロッパと日本は第一地域に属し、その間をなす、広大な大陸部分を第二地域とした。第二地域においては早い時間で巨大な帝国が成立するが、それらは制度などに問題を抱え、没落していくという。逆にその周縁に位置する第一地域においては気候が温暖で、外部からの攻撃を受けにくいなど、環境が安定している為、第二地域よりは発展が遅いものの第二地域から文化を輸入することによって発展し、安定的で高度な社会を形成できるとした。

Wikipedia

この第二地域、第一地域の物差しが、ユーラシアを見るときに使えると思った。

さらに「文明の生態史観」が書かれた1950年代は第一地域は没落後の発展途上の扱いだったが、2023年現在では、全く違う様相だ。

ただ「文明の生態史観」では現在の状況について予言がすでに書かれていることに驚いた。

「第二地域は、将来四つの巨大なブロックの併立状態にはいる可能性がかなりたかいとおもう。中国ブロック、ソ連ブロック、インド・ブロック、イスラーム・ブロックである。(中略)

それらはかつて、かれらが属し、革命によって破壊したところの、むかしの帝国の「亡霊」でありえないだろうか。それぞれ、清帝国、ロシア帝国、ムガル帝国、およびスルタンのトルコ帝国の亡霊たち。」

~「文明の生態史観」梅棹忠夫著より

今回、「ハローユーラシア」から「文明の生態史観」へ読書により知のリンクを辿り、現状を考える力を得ることができた。

私には、これぞ読書の喜びだ。

【125本目】渡辺京二を読んだ思い出

渡辺京二氏が2022年12月25日に92歳で亡くなったとニュースで見た。
少し前に自分が薦める10冊をあげた時、「逝きし世の面影」をあげた。

神戸の書店で、印象的な表紙と書名から衝動買いをした記憶がある。
平凡ライブラリー版だ。
その時まで渡辺京二氏を全く知らなかった。(お恥ずかしい・・・)

読んでみると、自分が自国のことを何も知らないことを痛感させられたとともに、愛おしい感覚も沸いてくる不思議な読書体験になった。

それから「逝きし世の面影」後、何冊か読んだけど、「北一輝」以外は、あまり合わない感があり、新刊を追いかけることもなかった。

週刊読書人で渡辺京二追悼特集があり、図書館で読むことができた。


石牟礼道子氏との関係が前面に出てきて、それはそれで面白かったけど、渡辺京二氏自身への追悼感はあまり感じなかった。(よく理解できなかったためと思うけど)

「逝きし世の面影」の命名は石牟礼道子氏によることと、この一冊が渡辺京二氏68歳の時の刊行と言うことは印象に残った。

【81本目】読書メーターを復活したら、読書欲も高まってきた。

2011年7月に読書メーターという新サービスに興味を持って登録していたようだ。

読書メーター

京都市に2017年に引っ越して、市立図書館の充実ぶりに読書が身近になった。
2020年に始まったコロナ禍。今後を見通すために読書が増えた。

そんなわけで2021年後半から、ふと読書メーターに再びログインしてみた。

読書メーターマイページ

何年も前に登録した「読んだ本」を見ると、「こんな本読んだっけ?」とも。
以前使っていたときは感想も書かずに登録だけやっていたよう。

今回は読んだ本の管理とちょっとした感想も書くことにした。
感想に「いいね」がつくと少し気分がいい。
感想はTwitterに自動的に投稿されるよう。(やめることもできるけど)

感想を書き出すと、他ユーザーの感想も読むようになった。最近は本を買うときに、Amazonのレビューと読書メーターの感想に目を通すようになった。
読書メーターがもっと書店と連携とかするといいのにな。

読書メーターが読んだ本から他ユーザーとの相性度を表示してくれる。
この機能も見たことがなかったのだが・・・
今回はとっても気になるユーザーをフォローした。

ちょっと心配なのは、読書メーターの収益が上がっているのか・・・
UIが昔ながらのごちゃごちゃ感は嫌いではないが、ちょっと高齢感も。
今回はしつこく使っていこう。

【25本目】古本を買って夢を見るなら

廃刊になっている本を読みたい時、どうするだろうか?

私の場合は、まず居住地の京都市立図書館を検索する。

以前住んでていた某市立図書館をくらべものにならないくらい本があるのがうれしい。

が、見つからないことも多い。

 

次にどうしていたかというと、Amazonのマーケットプレイスを検索していた。
何店舗も出ていて、新刊より高い場合もすごく安価な場合もある。

使い慣れたAmazonならスマホからカード決済でさくさく注文できる。

と、最近まで思っていた。

 

しかし知り合いに教えてもらった「日本の古本屋」を使ってみて、世界が変わった!!

日本中のプロの古書店が登録しており、Amazonのマーケットプレイスで見つからない本もサクサク見つかる。そして、ほとんど場合、Amazonより安価。(私の関心範囲については)

 

何度か注文したけど、丁寧な発送で、予想より綺麗なことも多い。

決済はカードでOKだし、ユーザー登録すれば住所の再入力もないので、Amazonと変わらない。

いささかサイトデザインが古びているのが、印象としてかなり損をしている気がする。

 

何度か頼んでみて、気づいた楽しみは注文した古書店をGoogleマップで検索し、ストリートビューでお店をみること。まるで旅行先で、ふらりと立ち寄った古書店で、本を購入したような感覚を楽しめる。

 

注文した本が届くまで、ストリートビューでみた店内で梱包して、発送手続きをしてくれているのか。と想像すると、届くのがますます楽しみになる。

 

通販サイト「日本の古本屋」おすすめです。

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