【138本目】親鸞展を見て、正信偈にいまさら衝撃を受ける

GW最終日の日曜日。私はずっと仕事だったので、今日くらいはGWらしい休日を。と思い立った。

そこで京都国立博物館で開催されている親鸞展を見に行くことにした。
オンラインで当日券を、朝食食べながら入手。(便利な時代だ!)

親鸞展公式サイト

あいにく京都市内は土砂降り。
自宅からは阪急電車→京阪電鉄を乗り継ぎ45分くらい。ほとんど傘はささないので、私的には問題なし。
ただ、来館者が少ない可能性があり、「幸運」と思うことにした。

11時頃には自宅を出発。河原町に着くと土砂降りの中を巨大なトランクを引いている観光客も散見され、今日はきつい旅になりそうだなと同情した。
雨に煙る五条の山並みと鴨川を横目に京阪へ。

七条駅を降り、徒歩数分で国立博物館へ。

デジタルチケットを読み取ってもらい入館。

館内には巨大な親鸞展のポスターがかかっていた。


館内の三階から見学開始。

予想通り見学者は少なめでゆったりと親鸞の様々な展示物を見ることができた。
1階までの降り、時計を見るとあっという間に2時間以上見ていたようだ。

教行信証が親鸞の主著。読んでみたいが、、、と思いあぐねながらミュージアムショップに立ち寄ると、現代語訳のええ感じの本を発見!


令和版の訳で、教行信証の中から親鸞自身の文章を御自釈として抜き出してるそう。

図録は当然として、むにゃむにゃ読んでいるふりばかりだった「正信偈」の入門解説冊子を発見!

ここで、親鸞展を2時間以上、集中して見ていたので、急に空腹がやってきた、、、、

親鸞展を後にして、七条駅そばの「ラーメンの坊歩」さんに飛び込んだ。

食べログサイト

鶏豚骨ラーメンは初めてだったけどうまかった!

ごちそうさま。

帰り道に親鸞展についてつらつらと考えてみた。

嫁さんの実家が、東本願寺つまり真宗(大谷派)だったこともあり、気になりつづけていた親鸞だが、何度か解説書を手に取っても「念仏で救われる???」で引っかかっていた。

今回の親鸞展で、宗派を超えた丁寧な展示により、理解が少し進んだ気がする。

親鸞筆のクセのある文字で書かれた多く文章を眺めていると、生き生きとした姿が浮かぶ気もした。

教行信証を亡くなる直前まで推敲し続けていたこと。
数多くの仏教書物を解釈し続けたこと。
弟子たちにも布教のために書き方を変えて、与えていること。

残されている肖像画では厳しい顔つきだけど、慕いたくなる知見と気遣いがあったんだろう。そして、それは時代を超えていた。

帰宅して、熱いインスタントコーヒーを飲みながら「正信偈」解説冊子を読んでみると、「他力」の意味が私の想像と全く異なるとこに衝撃を受けた。

「正信偈」に親鸞が込めた哲学的内容を、朝夕に昔から真宗門徒がお勤めしつづけてきたことにも胸を打たれている。(浅い感想だが)

【130本目】献体について知る。

自分が亡くなったらどうするのか?

昨年に父が亡くなり、葬式の件、墓の件など懸案だったことが一気に押し寄せてきた。

仏教的な習慣に沿って弔ったが、実際は特定の進行がない自分には戸惑うことの方が多かった。

「不慣れ」で片付けるには、自分ごと/夫婦ごととして考えると胸落ちしなかったのが事実だ。

嫁さんとは、夫婦(とできれば愛猫)と樹木葬や合祀がいいねと話している。

献体とは?

先日、仕事で某医科大学へ仕事で伺った際に「献体」について知ることになった。

解剖学を研究・指導されている学科だったので、教官から丁寧に教えていただく機会があったためだ。

献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。

公益財団法人 日本篤志献体協会より

ただ、解剖実習を行う実習室で教官からお話をお聞きするまで、献体について抽象的な理解に止まっていたと実感した。

献体され、解剖学の教育・研究に活かされた後は・・・

解剖学実習終了後、ご遺体は一体ごとに大学側で丁重に火葬し、ご遺骨をご遺族にお返しいたします。なお、いずれの大学でも、献体された方々のために、大学の公式行事として毎年慰霊祭が行われています。

公益財団法人 日本篤志献体協会より

亡くなった後、若い医学者に自身が役立ち、火葬までしてくれて、遺骨を返還してくれるとのこと。

私が仕事で伺った医科大では、遺骨が遺族に返還される霊安室があり見せていただいた。

静謐な白い小さ目なお部屋で、ステンドグラスが正面に飾られていた。

「特定の宗教に偏らず、きちんと感謝してお返しする場としてあるんです」とお聞きし、

思わず「神聖な場所ですね・・・」と口にした。

施設に宗教性はなくとも、その場に宿る雰囲気に口をついてでくる言葉は「神聖」だった。

献体について、ゆっくりと考えてみたい。

参考サイトは、公益財団法人 日本篤志献体協会かと。

http://www.kentai.or.jp/index.html

【91本目】「暇と退屈の倫理学」読んだらユクスキュルに久しぶりに出会った。

Kindleで半額だったので購入した一冊。
著者の國分功一郎氏が何かの講演会の進行をやっていて、なんとなく知ってたので。
軽い感じに見えて、考え込まされるようになっていていた。

以下、感想メモ。

  • ハイデガーの退屈論(3形式)の解説面白かった。
    • ただ、決断すると奴隷になる、他の情報を受け入れなくなるというのはピンとこなかった。
  • ユクスキュルの環世界論を人間、動物の比較で解説も面白かった。
  • 特に人間への適用と成長を絡めた説明は、教育の観点からもとても惹かれた。
  • 決断してきた自分の人生と比較して考えることも多かった。
  • 後書きで複数大学での講義が元と知ったが、学生とのやりとりになぜか胸を打たれた。

考えさせてくれる意味で面白い一冊だったな。

2005年にユクスキュル「生物から見た世界」の感想を投稿していた。


岩波文庫でKindle版になっていた!

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