平岡正明著「チャーリー・パーカーの芸術」に先の大戦に米軍が作ったVディスクについて文章がある。深夜に読んでいて、自身の経営姿勢についてハッとすることがあった。
チャーリー・パーカーの芸術
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まず、Vディスクとは・・・
1943年10月より1949年5月まで米軍は兵士慰問用にV-Dicsと呼ばれるレコードをリリースしていました。
〜富士レコード社サイトより
https://www.fuji-recordsha.co.jp/item/view/72
要は戦意高揚ためのレコードなんだが、グレン・ミラーを始め、当時のトップジャズミュージシャンが参加した。
こんなレコードを自軍兵士には戦意高揚でバラマキ、占領地には慰撫で戦後は流したようだ。
そこで、先の「チャーリー・パーカーの芸術」で気になった記述は、Vディスクには実存主義は持ち込まなかったという一節だ。平岡正明氏の解説では、Vディスクには実存主義は持ち込まないのは戦意高揚に相応しくない。ということだ。
スイング、ビッグバンドなジャズは戦後、ビバップへ変化していくのは、なんとなく理解していた。
すでに戦前にビバップは始まっていたそうだが、帰還兵たちに響く変化スイングからビバップへ。戦意高揚から実存主義への変化とも受け取れる。
つまり戦意高揚には、自分を考えさせてしまう実存主義は不向きという。
まず、自分にとって「実存主義」はハイデガーで知った。
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「存在と時間」はいろいろ言われる未完の著作だが、若かった自分には十分な衝撃だった。そのコトはさまざまに自分個人の判断や行動に影響した。
ただ、米軍がVディスクに実存主義は持ち込まなかったように、自分も経営する組織には私に強く紐づいた「実存主義」は持ち込むべきではなかったのではないか?と気づいた。
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同時期にマルクス・ガブリエルの新実在論を読みながら、こちらこそ経営に役立てると実感したことも考えるきっかけになった。言語で説明できる多様な認め合う世界の中で合意を作っていくのだから。
創業した経営者は実存主義的に駆け出すにしてもだ、どこかで「ユニコーン🦄はいる」という新実在論へ移らないとな。
深夜に平岡正明氏のパーカー本からVディスク経由で戦前へ跳び、ハイデガー経由でマルクス・ガブリエルときて、小さな我が社の経営姿勢に到る不思議な旅の話を投稿しておくことにしよう。
私的な奇妙な体験を。
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