野尻抱介さんの作品は2作目。かなりハードなSFだった。
1作目は初音ミクとニコニコ動画が媒介となって、人々がつながっていくお伽話。
作者特有の科学的裏付けはしっかり。出てくる場所は大学周りとかコンビニとか。
地球の外へ人類が広がっていく可能性で終わるのが感動した。
さて、太陽の簒奪者だ。
あらすじは太陽系外からまっすぐに向かってくる異星人への対応の翻弄される人類というお話。
対話をしようとするが、全くうまくいかず、戦争しようにも戦い方がわからない上に、恒星間移動する相手のほうが圧倒的という前提。
戦争するにも講話するにも、基礎はコミュニケーションなのだと改めて気が付かされる。
ましてや「異星人」=「他者」を思いやる限界も強く感じた。
だからこそ未知への探求こそ人類の限界を押し広げるのだろう。
SFらしいSFで楽しめた。Kindleで読むと安くておすすめ。


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