死の瞬間の肉体とその直後の死骸との間には、いささかの関係も存在しない。ここのことは、肉体がその構成要素の総和を超えるのに対して、死骸がその解剖学的諸部分の総和に等しい、という事実に示されている。炎と同様、魂が塵と灰をあと残す、という考えは間違えている。しかも最も重要な事実は、形態が火と大地の要素に服さないこと、それゆえ形態としての人間が永遠に属すること、これなのである。
〜「労働者」エルンスト・ユンガー著より
「労働者」の訳者あとがきにあった、 本書がユンガーによる戦死した戦友達への追悼が重要であることを念頭に読むと、胸に迫っている箇所がいくつもある。
同時代的には一層、リアリティを持って響いたのであろうか。
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